人材コンサルティングサービス活用法(人材育成・組織開発)

組織・人事コンサルティング

組織・人事コンサルティングの対象領域は、経営・事業戦略を遂行するための組織づくりや組織変革の支援、人材の獲得・育成・配置・評価・処遇という一連の人材マネジメントのための制度設計から運用、人事システムやツールの提供、ダイバーシティや社員のワークライフバランス推進、メンタルヘルス対応など多岐にわたる。専門的なサービスを受けるためには、自社の戦略達成の方向性に沿って目標や解決すべき課題を社内で意思統一し、コンサルタントに求めるアウトプットを明確にしておくことが欠かせない。

海外売上比率が高い企業では、グローバル共通の人事・賃金制度を整え、世界中から優秀な人材を登用したりローカル人材の活用を進めようとしており、グローバルに通用するタレントマネジメントのシステムや人材評価のノウハウがコンサルティング会社から提供されている。また海外出張・赴任、外国人の受け入れの煩雑な手続きや生活面を含めたサポートや駐在社員の危機管理対応でも専門サービスの活用が広がってきている。

テレワークをはじめとするウィズコロナでの事業運営を可能とする人事対応、「ジョブ型人事制度」の導入・運用、70歳就業時代に向けた雇用の見直しなど、組織・人事の再構築は急務で、支援実績のあるコンサルティング会社への相談が増えている。

従業員エンゲージメントを高めるために経営ビジョンの共有や組織全体の最適化を目指すサービスを提供したり、人事にテクノロジーを導入したHRテックによって人事の革新を支援する会社も出てきている。

人材育成・研修

人材育成・研修では、個々の研修効果を高めるだけでなく、社員の適性や能力開発課題を診断するアセスメントを導入したり、専門性の高いコンサルティング会社をパートナーに選んで最適な人材育成体系や研修デザインを目指す動きが見られる。

若手の早期戦力化やリテンション強化では、研修の充実に加えて、研修後のフォローアップやOJTを連動させた“職場で人が育つ風土づくり”が重要になっている。また中長期的なキャリアを社員に意識させる研修を行う企業も多い。次世代リーダーの養成では経営陣が関与して選抜研修でアクションラーニングに取り組んできた企業で能力を持つ人材が上がってくるようになってきている。

グローバル人材の育成やローカル人材のマネジメントが課題の企業では、日本人社員のコミュニケーション力やマネジメントスキル向上のための研修に取り組んでいる。売り上げに直結する営業研修、顧客対応力を向上させる研修やマナー研修は、より実践的なプログラムを提供している研修会社を選ぶことによって大きな効果が期待できる。デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業は、デジタル教育のための新たなプログラムを積極的に導入している。

近年はタブレットやモバイルで場所と時間に依存しない学習機会を提供したり、個人ごとの課題に応じたマイクロラーニングやビッグデータを活用したサービスが広がっていたが、新型コロナウイルスの感染防止でオンライン研修が急速に拡大し、さらに多様なコンテンツや手法が提供されるようになっている。

EAP・メンタルヘルス

近年は、従業員の健康問題が企業経営、組織・人事マネジメントの重要事項と考えられるようになっている。政府の働き方改革の推進による長時間労働の上限規制などに続いて、パワーハラスメント防止策の義務化などによって企業には新たな対応が迫られているが、法的な義務を果たすだけではなく、企業の持続的な成長、労働生産性向上やリスクマネジメントといった視点から従業員の活躍を支えるための施策が欠かせない。さらにテレワークの普及に伴う従業員のメンタルヘルス面の課題への対応も急務となっている。

企業のEAP・メンタルヘルス施策をサポートするサービスは、従業員数50人以上の企業に義務化されているストレスチェック、従業員に対するカウンセリングや相談窓口の提供、各種の研修、組織診断、休職者の復職支援など多岐にわたる。医療機関、カウンセラー、弁護士、税理士などの様々な専門家と提携しているコンサルティング会社であれば、専門的なサポートが期待できる。

顧客企業の地方支社・支店の従業員に対応するために専属のカウンセラーを全国に配置したり、育児・介護やワーク・ライフ・バランスなどの新しい分野、家庭の問題などへの対応力を強化しているコンサルティング会社もある。

サービス料金は、標準的なサービスを網羅したパッケージプランと、単独サービスの利用では異なる場合が多い。サービスを導入しても従業員の利用率が低いと効果が見込めないため、課題や方針をしっかりとヒアリングした上で実効性の高い適切なプランを提案してくれるコンサルティング会社を選ぶべきだ。

HR テック(人材育成・組織開発)

新型コロナウイルスの感染防止の観点からも、企業人事にテクノロジーを活用するHRテックの導入に取り組む企業が急増している。労務管理では、社員情報や勤怠・労働時間管理などの業務プロセスが簡素化される。人事担当者だけでなく現場のマネジャーが仕事の改善を即座に指示できるなど、生産性向上に役立つ。また、社員やチームのパフォーマンスを把握し、労務管理情報が経営情報として活用できるようになっている。

タレントマネジメントでは、人事評価、経験・スキルなどの社員情報から適正な配置・登用・育成のための情報を一元管理でき、能力を活かし高めていくことが企業成長には必須だ。さらに将来の要員や人件費のシミュレーション機能が人事のKPIマネジメントを支援する。また、適材適所や能力開発を促進するための多様な適性検査やアセスメントツールが開発され、従業員のパフォーマンスを経年で比較して適切なアドバイスを行える評価支援システムも登場している。

社員教育ではオンライン研修の実施やスマートフォンやタブレットで手軽に学習機会をつくれるようになっている。教育プランの構築や研修管理機能を持つプラットフォームを活用すれば効果的な教育や人事業務の負担減につながる。

HRテックで組織診断が手軽に実施できるようになり、働きやすい環境づくりや定着施策に活かす企業が増えている。従業員のエンゲージメント向上、上司やメンバーとのコミュニケーション活性化、健康経営を支援するツールも使い勝手が向上している。